| 手話は言語 |
「手話を学ぶ」ということは、外国語を学ぶ様なものです。 日本のろう者が使っている手話(日本手話)は、日本語とは異なる独自の体系をもつ言語です。独自の言語を話す集団としてのろう者は、独自の文化さえもっています。 日本手話に限らず世界各地のろう者が使う手話が、日本語や英語などの音声言語と対等の、複雑で洗練された構造をもつ自然言語であることが明らかになったのは、それほど昔の事ではありません。しかし、いまや欧米の言語学者の間では、手話が自然言語のひとつであり、言語として必要な条件をすべて備えていることは常識となっています。日本でも最近になってようやく、一部の言語学者らが手話に対して関心をもつようになってきました。 そうはいっても、一般社会ではまだ「手話は言語である」ということは十分に認知されているとはいえません。「手話はろう者のコミュニケーション手段である」ということは、すでに社会的な常識となっていますが、「手話は音声言語と対等の、複雑で洗練された構造をもつ言語である」とは一般的には考えられていないでしょう。 手話は日本語を表示する記号ではない。 日本手話は多くの人達に誤解されています。日本手話やろう者を知らない人々はもとより、ろう者の教育にたずさわる専門家や手話通訳などの関係者、はては日本手話の話し手であるろう者自身にまで、大なり小なり誤解されています。 手話やろう者を知らない人達のなかには、手話を点字や手旗信号などのような日本語を表示するための人工的な記号体系だと思っている人たちも少なくないでしょう。一般に「手話」と呼ばれるものの中には、日本語を話しながら手話単語を並べていく方法(シムコムといいます)もあることから、そのような誤解が生じるのも止むを得ない面はありますが、本来ろう者がろう者同士で日常的に用いている手話は、日本語とは別の言語であって、日本語を表示する記号ではありません。 日本語の50音に対応した手指記号には「指文字」と呼ばれるものがあり、この指文字を手話と混同している場合もあるかもしれません。指文字は手話の中でも補助的に使用さらたり、手話の要素の一部として利用されたりすることはありますが、指文字自体は手話ではありません。なお、日本語の子音を示す手指記号で、日本語の口型と組み合わせて用いられる「キューサイン」が、一部のろう学校で使われていますが、これも手話とは関係がありません。 日本文芸社出版「はじめての手話」より さらに詳しく知りたい方は、日本文芸社出版「はじめての手話」¥1,200を御覧下さい。 |
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